親業に出会った頃、小学五年の娘は度々腹痛や胃痛、吐き気があり、特に学校に行く前になるとひどくなるといった具合でした。そんな娘を見て、どうしていいか分からず、私自身も胸を痛めていました。
親業で学ぶ、能動的なきき方(指示、命令、価値判断を下さない)を実践していくと子供は安心していろんな思い話すようになりました。その中の一つとして、娘は一人の男子から何もしていないのに、嫌な事や攻撃的な言葉を言われ傷つき、逆恨みの様な感情を抱いていました。
「○○と言われて、辛いなあ」「どんなに傷ついて苦しんでいるか分かっとるんかと言いたいよなあ」「やめてと言えんで、くやしいよなあ」と泣きながら話す娘と一緒に泣きながら娘の気持ちになって能動的にきくよう心がけました。 以前の私だったら、たとえ悪口を言われていたとしても、そんな風に逆恨みするのはよくないとか、その子もかわいそうな子だから、気にしないことよと娘の気持ちより、先に私が思う正論や解決方法や提案を並べていました。数日後のある日、同じ様に言ってくる男子に「なんで私にばかりそんなことを言うん?私は辛いんよ」と泣きながら言い返したそうです。周りの友達も「そうだお前が悪いぞ」と応援してくれ、言いたくても言えなかった事が言えた娘は、スッキリして元気をとり戻していました。それ以来、その男子も嫌なことを言わなくなりました。
親業を学んで、私のこれまでの対応は、子供の気持ちは考えず、世間体を気にし、こうあるべきという親の思いを押しつけたものだったと気付きました。また、子供が失敗しないよう先回りして指示、提案をし、子供が自分で問題を解決する邪魔をしてきたことなどに、ショックを受けながらも沢山のことに気付くことが出来ました。
価値観の違いはあっても、「私はこう思うよ。あなたはそう思うんよね。」とお互いの意見を認め、話し合えるようになったことは大きな喜びです。
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